天敵認識

 天敵認識は動物にとって最重要課題であることに間違えはないでしょう。

ある南の島の猿には、不思議な事に海がめ及び海がめの甲羅を天敵とみなしている一群がいるのです。勿論日本の猿は海がめを見てもなんら特別な反応を示さないのです。しかしここの猿は海がめの甲羅を見せただけで、けたたましく鳴き叫び警戒音を発して仲間達に警戒を呼びかけるのです。
猿と海がめの間になにがあったか知るよしもないのですが、多分ずーと昔から海がめを天敵とみなし、代々引き継がれこれからも、引き継がれていくものと思われます。
 言葉をもっていない、これらの動物たちは、どうやって天敵を認識し子供達に教えていくのでしょうか?

 現在のところ、このことに関しての研究はほとんどなされていませんので確かな事は言えません。そこで、ここでは私の考えを披露してみたいと思います。

 多分、母親は子供に非常に早い時点でこれを教えていると思われます。そこで一番考えられる事はフェロモンを使った通信手段です。簡単にいえば匂いです。人間の赤ちゃんも匂いに敏感なことは良く知られています。そして例えば母親が恐怖を感じたり、怒りを感じたりすると、恐怖フェロモンや怒りフェロモンが分泌されるのではないかと考えられるわけです。このとき赤ちゃんは母親の恐怖フェロモン等を嗅ぐことで、何かを天敵と認識するのではないかと考えられるわけです。勿論言葉によるものではありませんから、形とか動きとか音(声)とか、もしかしたら匂いとかで、天敵認識するものと思われます。

 ですから、人間の場合、例えば妊産婦が周囲にいる誰か人間に対して、怒りを覚えたとすると、赤ちゃんは「人間」を天敵とみなしてしまうのではないかと考えられるのです。そこで「ひとみしり」と云う現象はもしかしたらこの、人間を天敵とみなした結果ではないかとも考えられるのです。 
 動物園等での動物の出産には係員は最大の注意を払い妊婦を刺激しないように振舞いますが、人間の出産の環境はあまり良いとは言えません。特に大病院での環境は最悪です。このあたりも出来れば人間の出産のかんきょうをせめて動物園なみ位にはしてもらいたいとも思っています。

  

ホルモンと
フェロモン

 

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