ホルモンとフェロモン

 ホルモンというのは一般には性ホルモンが有名ですが、正しい事はあまり知られていない様です。
なにも男性ホルモンや女性ホルモンだけがホルモンではありません、ほとんど数え切れないほどのホルモンがあります。有名なところでは副腎ホルモン、甲状腺ホルモンなどがあり、プロラクチンと呼ばれるホルモンは別名母性ホルモンとも呼ばれ、母乳を出す時放出されます。そしてホルモンはその違いにより、ホルモンを受け取る細胞がそれぞれ、決まっています。すなわち、体内の細胞同志が、ホルモンを使って会話をしているようなものなのです。そこでホルモンの事を「分子言語」とも呼んでいます。

例えば

 脳下垂体から放出される副腎ホルモン放出ホルモンは副腎だけに受け取る構造があり(アクセプター)副腎がそれを受けて副腎ホルモンを放出します。副腎ホルモンはストレスを緩和するホルモンとして発見当時はかなり脚光を浴びた様です。膝の痛みに苦しんでいた人に副腎ホルモンを注射すると嘘のように痛みが消えたと聞いています。
 そこで当時はホルモン療法と云うのがはやったそうですが、その後、副作用が激しいので、最近では緊急時以外は使用されていません。すなわち細胞同志のバランスの取れた微妙な会話の中に横から口をはさんでは、あらゆる個所に狂いが生じてしまうのです。そして脳下垂体にも副腎ホルモンを受け取るアクセプターがあり、その濃度によって副腎ホルモン放出ホルモンをコントロールしているのです。このように、体内では微妙なバランスでたえず体の健康を守るため休み無くホルモンのやり取りが行われているのです。

その他に

 神経も独特のホルモンを放出しています。神経と聞けば多分白い糸のようなものを即座に思い浮かべるかも知れませんが、この白色の神経は有髄神経と呼ばれ、他に無髄神経と呼ばれている透明な神経も存在しているのです。
有髄神経が放出するのはアセチルコリンと呼ばれる物質で筋肉の収縮や感覚器官からの情報を脳に伝える時に使われています。一方無髄神経は数種類あり、アドレナリン(アメリカではエピネフェリンと呼ばれています)ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニンなどがあります。これらをまとめて、神経ホルモンと呼びます。

それに対して

 フェロモンは固体同志で会話をする化学物質ですこれも、やはり性フェロモンだけが一般にもれだし、少しいやらしいニュアンスを持ってしまいました。ただしフェロモンの研究は始まったばかりの様な所があるため、あまり詳しいところは良く理解されていません。そこで例えば恐怖ホルモンであるアドレナリンが体内に放出されると「怖がって居ますよ」というフェロモンがすなわち恐怖フェロモンが空中に放出されるのではないかと予想するわけです。それを受け取った他の個体が恐怖の対象は何なのか注意を向けるようになるに違いないと思われるわけです。
このフェロモンの受容体はたぶん鼻であろうとおもわれるわけです。すなわち匂いは意識しなくも何らかの形で体内の細胞に微妙な変化をもたらす可能性は大きいのです。

 
 

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