原発事故

 1999年9月30日午前、日本で始めての臨界事故が起きました。新聞とTVと云う少ない情報の中から私なりの
見解をここに書き記しておきたいと思います。

 臨界事故の最大の注目すべき点は、高速中性子の大量放出です。これは中性子爆弾と原理はまったく同じだと
云う事です。中性子とは陽子と質量(重さと考えてください)がほとんど同じで電荷をもたない粒子です。ちなみに陽
子はプラスの電荷を持っています。ほとんどの物質と云うものは、非常に小さな原子核とその回りを覆っている電子
雲(でんしうん)で出来ていて、その中身はスカスカなのだと思ってもらえれば結構です。電荷がある場合は外側の
電子雲の影響で、大きな物質として認識できますが、電荷のない場合は、真中の核以外は物質にはならないのです
すなわち、中性子にとって、どのような物質も、ほとんどスカスカの真空みたいなものです。ただ液体のようにたえず
流動するものでは、中性子が核に衝突する確率が増えて、はねかえったり減速します。減速すると云う事は、中性
子のもってるエネルギーが液体の中に移動するという意味です。

中性子爆弾とは

この原理を応用して開発されたものです。すなわち、コンクリートのような硬いものは素通りして、人体のようなほと
んど水で出来ているものにエネルギーを集中させ、建物を壊さず生物だけを殺傷しようと云うものです。

ですから

今回の事故は、事故発生から臨界が停止するまでの数時間周囲の人達が中性子に被曝した事になります。これを
逃れるためには、出来るだけ速やかに現場から遠ざかる以外に方法はありません。しかし、無知なのか、ほかに
目的があったのか、発表まで一時間、その後こともあろうに、屋内待機と云う信じがたい処置をして、多くの住民の
被曝時間を長くしてしまいました。非常に残念な事ですが、住民、救急隊員、警察官、報道陣は確実に被曝してい
ます。今回の事故は今のところ、核反応生成物である、放射性物質は飛散されていないようですので。ガイガー
カウンターで測定しても反応は出てくるはずもありません。今回被曝された方々は非常に残念ですが、人々が事故
を忘れてしまったくらいの日時を経て、白血病に苦しむ事になります。その時にはマスメディアももはや取り上げない
でしょう。政府も「因果関係が証明できない」とおきまりのせりふで逃げるでしょう。

さらに

これからです、事故を起こした核分裂生成物を処理しなければなりません。住民はすみやかに、遠くに移動させなけ
ればなりません。不発弾処理でもあんなに神経質になるのに、何故今回は「安全宣言」なんてするのでしょうか?
無知としか言いようがありません。事故現場は火事より静かなはずです、この静けさが、人間の五感だけに頼って
る人の判断をにぶらせます。放射能関係の事故の恐ろしさの一面です。どんなに安全そうに見えても、用心にこした
事はありません。半径100km以内から、全員退去すべきです。

話をかえて

わたしの恩師である村地先生が授業の時お話しになられた事を記したいと思います「放射能の許容量なんて、
ありゃ俺が広島で調査したデータに当時のGHQの思惑を加味したもんだから、あてにはなんねえんだよ。人間への
影響なんて、あれ(広島の事)しかねーんだから。放射能に許容量なんて本当はねーんだよ。あびないにこした事
はねー」と仰られていました。村地先生も、その他当時広島に調査の為とんだ多くの物理学者はほとんど白血病で
おなくなりになっています。広島の事が原因と断定する証拠はありませんが。彼らも被曝者だったのです。

ですから

許容量とは、アメリカが今後も核物質を使いたいが為に創り出した妄想といっても過言ではありません。一部の物理
学者が研究のためやむをえず、覚悟をきめて、取り扱う為の指針程度のもので、一般人が放射能をあびていいは
ずがありません。それにしても、ガイガーカウンターで人間を測定したり、畑を測定している姿は「茶番」としか言いよ
うがありません。もしかしたら、本当に無知なのかもしれません。そんな無知な人達が放射性物質を扱っている事
それ自体が大変危険なことなのです。

一方

原子力発電ですが、安全性を最重要とした場合は、採算が合わないと云う報告もあり、ほとんどの科学者はそう
思っています。いつの時代にもいる御用学者は別として。ですから、事故が起きて当たり前なのです。今回も燃料
充填等と云う非常に大切な事を下請けの私企業に任せている神経が信じられません。私企業は利益追及の為
安全面をまったくといって良いほど無視するのは目に見えているからです。たぶん東電の採算性の問題から発生
した事でしょう。さらに、その場所が人家の近くにあったと云うことも問題です。また運搬はどうしていたのでしょうか?
みなさんも、核廃棄物や、再処理燃料の運搬をTV等で見た事があるはずです。燃料運搬にはそのくらいの注意が
必要なのです。しかしかの会社から、原発のある建物まで毎回ものものしい光景が繰り広げられていたとは考え
にくいのです。沿線の住民は知らないうちに、被曝している可能性も大きいのです。むかしからX線技師が白血病
になりやすい事が知られています。X線とはよわいγ線と同じです。弱いものでも何回も受けつづけると、かならず
人体に影響がでてくるのです。(専門的には確率の問題です)

私が

ここで、何をいっても、たぶん事態は変化しないでしょう。それは原発導入の過程からおかしかったからです。アメリ
カが原発を売りたくて、日本政府に圧力をかけたからです。「ノーと言えない日本」政府は原発導入の下地作りに奔
走し、既成事実をつくりあげ、なしくずしに導入してしまったのです。アメリカはあきらかに押し売りです。この状況が
変わらない限り、今後も安全を無視した原発はつづくでしょう。そして「おこってはいけない事故」を繰り返すのです。
原発事故には基本的に対策はありません。おこってしまったら、座して死を待つ覚悟はしておいてください。

例えば

安全対策とは、「どんな人為的ミスがおころうとも、それをカバーしきれるシステム」の事です。誰それがこんなミスを
したから、では済まされないのが「安全対策がじゅうぶんか?」と云う意味です。

政府の

「では、代換えは?」と云う質問に、すっかりだまされている人達に一言。たとえば、ドイツでは地域発電と云うこと
が推進されています。すなわち、数千軒を対象に小さな発電所を作るのです。さらに廃熱でお湯をわかし、各家庭
に配るのです。(暖房費がかなり浮きます)もちろん二酸化炭素の問題がありますが、大規模火力発電より効率が
よくむしろへらせるそうです。そのほか、原発にかけるお金があれば、各家庭に太陽電池を設置する補助金ぐらい
はかなり捻出出来るはずです。そのほか、工夫をしさえすれば、いくらでも他のエネルギーは可能なのです。

 なのに政府が工夫出来ないのはアメリカが怖いからなのです。そんな怖がりを選出した我々国民のせいかもしれ
ません。

 
     従業員の
 被爆
 

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