少年野球

 私は、こどもの方とつきあうことが多いのですが、”秘訣は安心感を与えて
あげること”にまったく同感です。
 学習の問題だろうが、非行だろうが、閉じこもりだろうが、なんでも
”より安心できるように”と、場合場合で考える。それだけなんです。自然に
道が開けてきます。

 吉田さんの「男の子が心をひらく親、拒絶する親」、ホームページを拝見
しました。おもしろそうなので、アマゾンで注文しました。
 その「男の子が心をひらく親、拒絶する親」の小見出しをずっと読みました。
それに少し関係するようなことに今朝、出くわしました。

 公園に散歩にいったら、少年野球のチームがいて、準備体操からウォーム
アップをやっていました。
 指導者達のおじさんたちのやり方が、後ろから言葉で命令しては叱っている
だけ。とうぜん、子ども達がダラダラして、ちゃんと
動かない。それにイラだって、いっそう叱るだけ。
 子ども達の準備体操も、おざなりに動くだけで、大事なところの
間接を動かしたり、筋肉を伸ばしたりしていない。それに対して、コーチは
「気合いをいれろ。ちゃんとやれ」と後ろからメガホンでどなる。有効な
指示も模範も、なに一つない。
 ダッシュをやらせていたけど、子ども達がなかなか動かない。
コーチは「おい、誰それ、ちゃんとやれ。手をつくんだよ、手を」などと叱ってい
る。
それでも、子ども達は、まわりの子が動き出すといっしょにやるようになります。
それを見てコーチがまた「ちゃんとやれ」と叱るだけ。
 コーチ達は、腕組みをして後ろで見張って、叱っている。まるで、奴隷監督だ。
 キャッチボールを始めたら、さすがに、子ども達は乗ってきたけど、コーチたちは
「相手がとりやすいところに投げろ」。 コントロールが悪いときは、それなりの
理由があるから、もっと的確に指導すればいいのにと思うけど、怒鳴るだけ。

 こんなへたくそな指導でも、やる気のある子は、コーチの技術を学び取るだろう
し、試合に参加する喜びは大きいだろう。コーチの口は悪いが、それはただの
習慣であって、本気で怒ってはいないことを見て取るだろう。優秀な子は目をかけ
てもらえる。特に、レギュラーになれる子は、伸びるだろう。
 勝てば官軍で、いいコーチだってことになるんだろう。

 でも、他の子は?
 満足にやり方も示されずに叱られるだけ。
 コーチがあんなじゃ、チームメイト同士で、嫌がらせやいじめがはびこりやすい。
嫌になってやめていく子が跡を絶たないだろう。

 あの指導法は、上澄みの数名を戦士に仕立てるだけだ。トーナメントには
けっこう勝つかもしれない。
 でも、教育じゃない。

 日本の教育システムを思いました。
「ああ、要するに、国全体で、この少年野球と同じことをやってきたんだ」と、
変に納得できました。

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